室内騒音とNC値

室内騒音とNC値


外部からの騒音や内部の設備騒音が、よりよい防音室空間の
環境を左右します。
内部の設備騒音を示す値として「NC値」で評価します。











定 義

ホールスタジオにおける室内騒音の代表的なものとしては
空調機等の設備騒音と外から入ってくる騒音が上げられます。

騒音の表示は、L.L.Beranek(ベラネック)氏が、耳に感ずる音の
大きさと会話に対する騒音の妨害程度を研究して
騒音の許容値を周波数分析の結果
数値で表せるようにしたNC値(騒音評価値)
使うのが一般的です。

NC値はNC曲線より求めますが、例えば、各帯域の騒音レベルが
すべてNC-30の基準曲線より小さい時の
NC値がNC-30となります。



NC値の基準曲線
NC値の基準曲線

 

測定方法


測定点にて騒音計(1/1オクターブバンドフィルタ付)で
63Hz〜8kHzまでの各周波数帯域の値を読みとり
NCカーブのグラフ用紙にプロットしNC値を得ます。



NC 値とは、室の静けさを表す指標で、1957 年 アメリカの
Leo L. Beranek 氏によって Noise Control 誌で提案されました。
(後に若干の修正が加えられ図の曲線群となりました。)
これは、オフィス内の空調機器騒音等の、広帯域スペクトルを持つ
定常騒音に対するアンケート調査を基に
会話障害との関係からまとめられたものです。

評価する騒音をオクターブ分析し、どのバンドでも図の曲線を
上回らない最低の数値をNC値とします。
NC値は、その値が小さいほど静かであることを示し
NC-25 の室はNC-40 の室よりも静かであることを表します。

 

 

NC値と会話のし易さ


NC値 室内の状態 施設例
NC-15以下 最も静かで、小さな声でも会話ができる レコーディングスタジオ
コンサートホール
NC-20〜30 非常に静かで会話にも電話に支障なし
大会議可能
多目的ホール
劇場、オペラハウス
教会、礼拝堂 重役室
大会議室
テレビスタジオ
NC-30〜35 静かで、4〜5m のテーブルで会議ができる
3〜9m離れて普通の会話ができる
和室
応接室
小会議室
NC-35〜40 2〜2.5mのテーブルで会議ができる
電話での会話には支障なし
2〜4m離れて普通の会話ができる
中事務室
工場事務所
多目的イベントスペース
NC-40〜50 1.5mのテーブルで会議ができる
電話で会話しずらくなる
普通の声で1〜2m 、やや大声で2〜4m離れて会話ができる
大きな機械室
製図室
NC-50〜55 3人以上の会議はできなくなる
電話で会話しずらくなる
普通の声で30〜60cm、やや大声で1〜2m離れて会話できる
タイプ室
計算機室
製図室等
NC55 非常にうるさい
事務室としての使用は難しい
電話での会話が難しい
適用無し


NC値は、騒音に対する基準値として広く使われ
室の用途に対する推奨値も示されています。



 

空調のタイプは、大きく分けて2種類


スタジオ
等に関しては、外部騒音に対する遮音対策が
強固になされているため
空調設備騒音等の室内で発生する騒音によって
NC値が決定されることが殆どです。

空調のタイプには、大きく分けて「ダクトタイプ」
「天井カセットタイプ/壁掛けタイプ」の2種類があります。



ダクトタイプ

ダクトタイプ


ダクトタイプの空調機は消音処理との組合せにより、
空調が稼働していても静かな環境を保つことができます。
設置する消音装置にもよりますが、NC-20 〜 M.A.F. 程になります。


天井カセット型タイプ/壁掛けタイプ

天井カセット型タイプ/壁掛けタイプ


天井設置 / 壁設置タイプの空調が稼働しますと、
一般的なオフィスの騒音と同等のレベルになります。
消音タイプの換気設備を用いることで、
空調が動作していない時の静けさが確保できます。
空調使用時はNC-40 〜 30 程となります。





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